Polygon上にコントラクトをデプロイしてみよう
🦉 Polygon に スマートコントラクトをデプロイする
このレッスンでは、プロジェクトをPolygonネットワークにコントラクトをデプロイする方法を紹介します。
手順はほかのイーサリアムのサイドチェーン(例:Plasma)とほぼ同じです。
まず、packages/contract
ディレクトリに向かい、下記を修正していきましょう。
1 . .env
ファイルを下記のように修正してください。
API_URL = ""
PRIVATE_KEY = "あなたの秘密 鍵は、以前に貼り付けたものを保持してください。"
ETHERSCAN_API = ""
POLYGON_URL = ""
今回の実装では、API_URL
(Alchemy API)は必要ないので、空文字列""
を設定してください。
- ただし削除しないでください、設定ファイルが壊れてしまいます。
ETHERSCAN_API
とPOLYGON_URL
は現段階では、空文字列""
にしておきます。
2 . hardhat.config.js
を開き、コードを下記のように更新しましょう。
require("@nomicfoundation/hardhat-toolbox");
require("@nomiclabs/hardhat-etherscan");
require("dotenv").config();
const { API_URL, PRIVATE_KEY, ETHERSCAN_API, POLYGON_URL } = process.env;
module.exports = {
solidity: "0.8.17",
networks: {
amoy: {
url: POLYGON_URL,
accounts: [PRIVATE_KEY],
},
},
etherscan: {
apiKey: ETHERSCAN_API,
},
};
3 . 最後に、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
yarn contract run:script
ターミナル上で、上記がエラーなく実行されれば、Polygonネットワークにコントラクトをデプロイする準備は完了です。
🧙♂️ テストを作成・実行する
ここまでの作業でコントラクトには基本機能として以下の機能が追加されました。
- NFTをmintする機能
- nftをコントラクト所有者にためにキープする機能
- コントラクトにETHを送金できる機能
これらの基本機能をテストスクリプトとして記述していきましょう 。
ではpackages/contract/testにtest.js
という名前でファイルを作成して、以下のように記述しましょう。
const hre = require("hardhat");
const { expect } = require("chai");
describe("Generative-NFT", () => {
it("mint is successed", async () => {
// あなたのコレクションの Base Token URI(JSON の CID)に差し替えてください
const baseTokenURI =
"ipfs.io/ipfs/QmZbWNKJPAjxXuNFSEaksCJVd1M6DaKQViJBYPK2BdpDEP/";
// オーナー/デプロイヤーのウォレットアドレスを取得する
const [owner] = await hre.ethers.getSigners();
// デプロイしたいコントラクトを取得
const contractFactory = await hre.ethers.getContractFactory(
"NFTCollectible"
);
// 正しいコンストラクタ引数(baseTokenURI)でコントラクトをデプロイします。
const contract = await contractFactory.deploy(baseTokenURI);
// このトランザクションがマイナーに承認(mine)されるのを待つ
await contract.deployed();
// NFTを 10 点、コントラクト所 有者のためにキープできているかチェック
let txn = await contract.reserveNFTs();
await txn.wait();
let tokens = await contract.tokensOfOwner(owner.address);
expect(tokens.length).to.equal(10);
// 0.03 ETH を送信して3つ NFT を mint できるかチェック
txn = await contract.mintNFTs(3, {
value: hre.ethers.utils.parseEther("0.03"),
});
await txn.wait();
tokens = await contract.tokensOfOwner(owner.address);
expect(tokens.length).to.equal(13);
});
});
では下のコマンドを実行することでコントラクトのテストをしていきましょう!
yarn test
下のような結果がでいれば成功です!
Compiled 17 Solidity files successfully
Generative-NFT
✔ mint is successed (1552ms)
1 passing (2s)
✨ Done in 5.30s.
🕵️♂️ NFT 価格の再設定
私たちは、NFTの基本価格を0.01 ETHに設定しました。
uint public constant PRICE = 0.01 ether;
ここでは、ユーザーはNFTをMintするたびにガス代 + 0.01 ETHを支払います。
ですが、Polygonサイドチェーンで使用されるのはETHではなく、MATICという独自のERC20トークンです。
✍️: ERC20 トークンについて ERC20 は、イーサリアムのブロックチェーンを利用したトークンに適用される仕様です。
イーサリアムネットワーク上では、誰でもオリジナルの仮想通貨(トークン)を作ることができます。
ただし、トークンの仕様(プログラミング言語など)が異なる場合、そのトークンのために独自のウォレットの開発が必要になります。
ERC20 に準拠しているトークンは、MetaMask のような既存のウォレットで管理することができます。
現在(2022年2月)、ETHとMATICを日本円に換算すると以下のようになります。
1 ETH ≒ 340,000円
1 MATIC ≒ 200 円
したがって、ETHで表記したNFT 1つあたりの価格(0.01 ETH)をMATICに換算すると、17 MATICとなります。
この変更を反映させるために、NFTCollectible.sol
の価格表記を下記のように更新しましょう。
// NFTCollectible.sol
uint public constant PRICE = 17 ether;
ここで、PRICE
を17 MATIC
と表記しないのには、理由があります。
Solidity では、ether
というキーワードは10¹⁸
に過ぎません。
-
Solidityにとって、
17 ether
は下記と同じです。// 17 * 10¹⁸
1700000000000000;
実際にSolidityではWei
という単位で支払い金額を指定しています。
イーサリアムメインネットでは、1 ETH
は10¹⁸ Wei
です。
Polygonでは、10¹⁸ Wei
が1 MATIC
です。
✍️:
Wei
とGwei
イーサリアムのガス代(コスト)は、下記で決まります。
コスト = ガス価格( Gas Price ) x 消費したガスの量( Gas limit & Usage by Txn )
Gwei
はガス価格の単位、Wei
はイーサリアムの最小単位となります。
異なるネットワークにコントラクトを移行する場合は、常に価格の修正を正しく行うようにしましょう。
このレッスンでは、Polygon Amoy-Testnetを使用するので、NFTの価格を0.01 MATIC
にします。
そこで、NFTの価格を元通りにリセットすることにします。
下記のように、NFTCollectible.sol
の価格をもう一度書き換えてください。
uint public constant PRICE = 0.01 ether;
⚠️: 注意
Polygon ネットワークにデプロイする場合、
0.01 ether
は0.01 MATIC
です。0.01 ETH
ではありません。
🦊 MetaMask と Hardhat に Polygon Network を追加する
MetaMaskウォレットにMatic MainnetとPolygon Amoy-Testnetを追加してみましょう。
1 . Matic Mainnet を MetaMask に接続する
Matic MainnetをMetaMaskに追加するには、次の手順に従ってください。
まず、Polygonscan に向かい、ページの一番下までスクロールして、Add Polygon Network
ボタンをクリックします。
下記のようなポップアップが立ち上がったら、Switch Network
をクリックしましょう。
Matic Mainnet
があなたのMetaMaskにセットアップされました。
2 . Polygon Amoy-Testnet を MetaMask に接続する
Polygon Amoy-TestnetをMetaMaskに追加するには、次の手順に従ってください。
まず、amoy.polygonscan.com に向かい、ページの一番下までスクロールして、Add Amoy Network
ボタンをクリックします。
Matic Mainnet
を設定した時と同じ要領でPolygon Testnet
をあなたのMetaMaskに設定してください。
Hardhatを使用する場合、AlchemyのカスタムRPC URLが必要です。
alchemy.com に再度ログインして、Create App
を選択し、下記のように設定してください。
次に、下図のように、新しく作成したPolygon NFT
アプリケーションのVIEW DETAILS
をクリックしましょう。
次に、アプリケーションのVIEW KEY
をクリックし、HTTP
URLをコピーしてください。
それでは、packages/contract/.env
ファイルを開き、コピーしたHTTP
URLを下記のAlchemy Polygon URL
の部分に貼り付けていきます。
POLYGON_URL = "Alchemy Polygon URL";
🚰 偽 MATIC を入手する
MetaMaskとHardhatの両方でPolygonネットワークの設定が完了したら、偽のMATICを取得していきましょう。
こちら にアクセスして、下記のように偽MATICをリクエストしてください。
Sepoliaとは異なり、これらのトークンの取得にそれほど問題はないはずです。
1回のリクエストで0.5 MATIC(偽)が手に入るので、2回リクエストして、1 MATIC入手しましょう。
⚠️: Polygon のメインネットワークにコントラクトをデプロイする際の注意事項
Polygon のメインネットワークにコントラクトをデプロイする準備ができたら、本物の MATIC を入手する必要があります。
これには 2 つの方法があります。
イーサリアムのメインネットで MATIC を購入し、Polygon のネットワークにブリッジする。
仮想通貨の取引所( WazirX や Coinbase など)で MATIC を購入し、それを直接 MetaMask に転送する。
Polygon のようなサイドチェーンの場合、
2
の方が簡単で安く済みます。
🇮🇳 Polygon テストネットにコントラクトをデプロイする
準備完了です!
packages/contract/scripts
に向かい、deploy.js
を下記のように更新してください。
async function main() {
// あなたのコレクションの Base Token URI(JSON の CID)に差し替えてください
// 注: 十分な NFT を確保するために、下記のサンプル Token URI を使用しても問題ありません。
const baseTokenURI = "ipfs://QmZbWNKJPAjxXuNFSEaksCJVd1M6DaKQViJBYPK2BdpDEP/";
// オーナー/デプロイヤーのウォレットアドレスを取得する
const [owner] = await hre.ethers.getSigners();
// デプロイしたいコントラクトを取得
const contractFactory = await hre.ethers.getContractFactory("NFTCollectible");
// 正しいコンストラクタ引数(baseTokenURI)でコントラクトをデプロイします。
const contract = await contractFactory.deploy(baseTokenURI);
// このトランザクションがマイナーに承認(mine)されるのを待つ
await contract.deployed();
// コントラクトアドレスをターミナルに出力
console.log("Contract deployed to:", contract.address);
// 所有者の全トークンIDを取得
let tokens = await contract.tokensOfOwner(owner.address);
console.log("Owner has tokens: ", tokens);
}
main()
.then(() => process.exit(0))
.catch((error) => {
console.error(error);
process.exit(1);
});
まずは、packages/contract/package.json
のscript
部分を以下のように編集してください。
"scripts": {
"run:script": "npx hardhat run scripts/run.js",
"deploy:sepolia": "npx hardhat run scripts/deploy.js --network sepolia",
"deploy:amoy": "npx hardhat run scripts/deploy.js --network amoy",
"test": "npx hardhat test"
},
ターミナル上で下記を実行してみましょう。
yarn contract deploy:amoy
下記のような結果がターミナルに出力されていることを確認してください。
Contract deployed to: 0xF899DeB963208560a7c667FA78376ecaFF684b8E
Owner has tokens: []
次に、amoy.polygonscan.com に向かい、コントラクトアドレス(Contract deployed to
に続く0x..
)を検索して、コントラクトがデプロイされたことを確認しましょう。